miageru.で作品をお取り扱いしている作家さんにご協力いただき、インタビューを通してものづくりの魅力に迫ります。
テーマは「作家の道具と材料」。
本日は、青森の美しさを多彩な釉薬で表現した作品や、お教室も大人気の「ふじわら陶房」さんにお話をお伺いしました。
丁寧に、工程を重ねて完成する器
ーカラフルな箸置きから、味わい深い器まで、作品のバリエーションがたくさんあっていつも納品をワクワクしながら待っています。
1つの作品を完成させるまで、どんな工程があるのですか?
そうですね、マグカップを製作する場合は、
- 土練り(荒練り・菊練り)
- 電動轆轤で成形
- 少し乾かしたのち削り
- 持ち手つけ
- 模様つけ
- 完全乾燥
- 素焼き
- ヤスリがけ
- 下絵つけ
- 釉薬掛け
- 本焼き
- 仕上げヤスリがけ
を経て完成となります。
乾燥時間もありますので、早くて3週間ほどかかります。
どんな作業も、楽しく、丁寧に
ーたくさんの工程が必要なのですね!
これは土を練っているところですか?お花のような形が可愛いです。
そうですね!まさに、これは「菊練り」という、土の中の空気を抜く大事な工程です。
空気が入っていると、焼く時に熱で空気が膨張して作品が割れてしまうのでしっかり行います。この作業は楽しいので体験陶芸の方にも体験していただいているんですよ。
ーわぁ、楽しそうですね!
こちらは、私も見たことがある道具です、轆轤ですか?
はい、こちらは「電動轆轤」です。
よくテレビで、作っている最中にグチャッとなってしまう場面が楽しげに紹介されていますよね!
実際、すごく楽しいんですよ。
初めての方や、まだ体験したことのない方は、作っている器がグチャッ!となるのにも憧れる感じがあるかもしれません。
しかし私達はそうもいかないので(笑)、電動轆轤に向かう時は心身ともに落ち着いていて集中しなければいけないです。
ー確かに!ドラマの登場人物になった気持ちで、「グチャ!・・あっー!!!」というくだりをやってみたい気がします(笑)
こちらの道具はどんな時に使うのですか?
手びねりや紐作りの時に使います。
手のあとが残りやすいので雰囲気のある作品になります。
揺らぎや、手作り感をより出したい作品には手轆轤を使っています。
ー手のぬくもりは、陶器の醍醐味というか、あたたかみを感じます!この後、乾燥や素焼きなどの工程を経て、いよいよ釉薬ですね?
はい!いよいよ釉薬です。
釉薬掛けは、装飾するためと器を丈夫にする意味合いがあります。
灰や鉱物などが入った液体状のもので、焼くと溶けてガラス化します。
写真の釉薬は、焼きあがるとトルコ色になるんですよ。
ーなんと!こんな灰色のドロドロが、あの綺麗なブルーになるんですね!
驚きです!
最後に、作品を制作する上で、一番気をつけていることはなんですか?
そうですね。使っていただくことを想像しながら作ることです。
楽しみながらたくさん使っていただきたいので、お客様の声に耳を傾けて製作に活かすよう心がけています。
お話をお聞きしているだけで、体験をしているような気持ちになりました。教室の再開が待ち遠しいですね!
今後、また新しい作品も納品していただく予定なので、楽しみにしております。
本日はありがとうございました!