miageru.のよみもの・ripples編

miageru.で作品をお取り扱いしている作家さんにご協力いただき、インタビューを通してものづくりの魅力に迫ります。

テーマは「作家の道具と材料」。
本日は、以前NHKBSプレミアム「イッピン」で紹介された(miageru.も便乗してチラリと撮影していただきました)りんごのペンダントが大人気の「ripples」さんにお話をお伺いしました。

一瞬も目が離せない作業が続く

ー製作体験をさせていただいたことがあるのですが、変化し続けるガラスに苦戦して工程がさっぱり思い出せません(笑)改めて教えていただけますか?

ウミガメのペンダント

はい!人気のウミガメのペンダントを作る場合ですが、

  • 金属で発色させる(フューミングと色ガラスにより着色する)
  • 模様を付ける
  • 全体の形を整える
  • 徐冷(ガラスの歪みをとる作業)

だいたいこのような工程があります。
フューミングとは、蒸着ともいい、ガラスの表面に金属の色を着色させる手法です。
金は赤やオレンジ、銀は青白い色を発色し、混ざり合うと中間の色が出るんですよ。

バーナーで熱しながら、ガラスを成形していく(バーナーワーク)

作業がうまくいくと60〜90分くらいで出来上がりますが、納得できなかったり、失敗もあるのでその時間を入れると何分とは言い切れないかもしれません。

ガラスの表現を、追求する

ーなんだか、歯医者さんの治療器具みたいですね!これはどんな時に使うのですか?
泡立て器のような形だったり、丸い穴があったり、、、。

一番上の、泡立て器のような道具は「カッパ」といいます。
炎の中で熱する際、ピンセットや手では持てない形状のガラスなどを掴んで使います。
また、上から5つ目の丸い穴のようなものがあいた道具は、ガラスの曲面を整えたり、平らな面ではガラスを押しつぶしたりもします。

ー変化し続けるガラスと向き合いながら、たくさんの道具を使い分けて綺麗な形を作っているんですね。
こちらの綺麗な棒が、材料のボロシリケイトガラスですね!色ガラスもあるようですが、これは混ぜて他の色を出すこともできるんですか?

ボロシリケイトガラス

そうですね、色ガラスは混ぜて使うこともありますが、絵具を混ぜる感覚とは少し違います。
各々の色ごとに性質や使い方も違ってくるので、その色ガラスの特性を知っていなければなりません。
なので全ての色を表現できるというわけではないのですが、、、アイディアと経験に基づいて表現できる色はあると思います。

ー暗いところと、太陽光の下で色合いが変化するのも素敵ですよね。
光にかざした時に、ペンダントがちょっと違った色に見えたりするのが嬉しいです。二度美味しいような気がします!
最後に、作品を製作する上で一番気をつけていることはどんなところですか?

炎の中で溶けるガラスは瞬時に形が変わるので一瞬一瞬が勝負です。
その中で最も気をつけている点は技法や手法の難易度にかかわらず美しく仕上げることです。
また、ガラスは多くの魅力的表情を持っている素材です。
職人だからこそ気付く、その表情を引き出して作品に反映していきたいです。

ーこれから薄着になっていくので、太陽の下、キラキラのガラスを身につけて出かけたいです。本日はありがとうございました!

※現在作品は店舗にいございません。後日入荷次第お知らせ致します。